やはり「映像の魔術師」ターセム・シン監督でなければ、「インモータルズ -神々の戦い」の圧倒的な映像美は表現できない。その要素に石岡瑛子さんという衣装デザイナーが映像美をさらに向上させています。「ザ・セル」「落下の王国」も石岡瑛子さんです。

ターセム・シン監督の「ザ・セル」「落下の王国」の2作とは違い、「インモータルズ -神々の戦い」はアクションがメインです。ターセム・シン監督ならではの映像美はアクションと3Dとの組み合わせでどのようになるのか?不安な感じもありましたが、その不安は上映直後に無くなりました。「落下の王国」のような映像美を全編で期待すると、期待はずれかもしれません。それはアクションを考えれば、方向性が違う。「インモータルズ -神々の戦い」では、迫力のある格闘映像ではなく、圧倒的な映像美のアクション。神話の世界をターセム・シン監督でしか描けない絵画のような、神々の戦いより人間の戦いの映画でした。神々の世界と人間の世界とを違う世界観で描きながらも、石岡瑛子さんの衣装などが美しくて、他の監督とは違う映像です。いわゆるアクション映画ではなく、聖書などの世界観の宗教画を思わせるような映像で、日本人にはなじみにくい世界観かもしれません。映像で言えば、ゼウス達の集まっている神殿のシーンは絵画のような映像で字幕を読むのを忘れてしまいそうです。

神vs神。人間vs人間と別の世界での戦いを描いています。神は人間の世界に関与をしないらしい。でも、ちょっと!?関与はしていたよね!?それにしても、神vs神の戦いは、人間vs人間と別次元で描かれていた。神vs神の戦いはアクションも衣装も素晴らしかった。

ヘンリー・カヴィル(テセウス役)がジョン・ハート(老ゼウス役)・ルーク・エヴァンス(ゼウス役)に指導を受けながら、積極的に戦いには参加をしなかった。ミッキー・ローク(ハイペリオン役)に、目の前で殺され、捕らわれ、奴隷にされてしまう。ミッキー・ロークにこのような悪役をやらせたら、ハズしませんね。悪の権力者そのものを演じています。そして、ヘンリー・カヴィル(テセウス役)がフリーダ・ピント(パイドラ役)達と、脱走をします。この脱走するシーンの映像もターセム・シン監督ならではの映像です。そして、話は進んでいきます。

 「インモータルズ -神々の戦い」のストーリーと「映像の魔術師」ターセム・シン監督を考えると、見る人を選ぶ映画かもしれません。

美しい映像や絵画のような映像で、独特の世界観があるのが好きな人には特にオススメです。宗教画に興味がある人にもお勧めです。

久しぶりにパンフレットを買いました。

11月11日公開
「インモータルズ -神々の戦い」
監督 ターセム・シン
出演 ヘンリー・カヴィル、ミッキー・ローク、ジョン・ハート、スティーヴン・ドーフ、フリーダ・ピント
映画『インモータルズ-神々の戦い-』公式サイト
http://immortals.jp/